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神奈川子ども未来ファンド

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2010年 選考結果報告

2010年は、18団体のご応募をいただきました。 第三者機関である選考委員会が公正に選考あたり、以下の8団体への助成が決定しました。

神奈川子ども未来ファンド 2010年 助成対象団体

助成総額 4,500,000円

団体名 事業内容 都市名 助成金額
片倉うさぎ山公園遊び場管理運営委員会 <冒険遊び場>
プレイパーク運営強化とプレイパーク出張事業
横浜 600,000
特定非営利活動法人 子どもセンターてんぽ <子どものシェルター>
電話相談員養成事業、事務局体制整備事業
横浜 500,000
ウエスト神奈川女性の人権を守る会 <DV被害者のシェルター>
子どもの心身ケアのため、子ども担当スタッフの専門性強化
西湘地区 300,000
特定非営利活動法人ひだまりの森 <子育て支援>
ひだまりの森「子育て期の相談室」開設および基盤づくり事業
横浜 220,000
特定非営利活動法人ピアわらべ <子育て支援>
法人事務局の整備
横浜 800,000
エスコラ アクアレラ ブラジル <外国籍児童の学習支援>
エスコラ アクアレラ ブラジル さくら教室
厚木 800,000
カラカサン~移住女性のためのエンパワメントセンター <外国籍生徒の学習支援>
外国につながる思春期の子ども達の学習・表現活動支援事業
川崎 800,000
特定非営利活動法人ふぁみりーさぽーとのあ <フリースクール>
フリースクール事業のあインターナショナルスクール
横浜 480,000

神奈川子ども未来ファンド 2010年 助成選考委員

渡邊 宣昭委員長
委員長
渡邊 宣昭氏(横浜植木株式会社 代表取締役社長)
副委員長
渡辺 誠二氏(一般社団法人ロータリーの友事務所 所長)
委員
青木 将幸氏(国際青年環境NGO・A SEED JAPAN 理事)
飯島奈津子氏(横浜弁護士会子どもの権利委員会 委員)
おちとよこ氏(ジャーナリスト、絵本児童書作家、高齢者問題研究家)

2010年 助成対象団体講評

選考を終えて

一昨年の世界同時不況から未だ回復への道は険しい経済環境の中で、今期も貴重な助成金の原資を、個人,企業,団体の方々にご支援を戴いております事に、先ずは心より御礼申し上げます。大変有り難うございました。今年も県内各地域より「子ども達を支援する」様々な分野の方々から、計18件の応募を頂きました。

選考委員会では、助成選考基準に従い限られた原資の中で、公正な助成を信念に議論を重ねて参りました。残念ながら全ての応募者のご期待には添えなかったことは、大変心苦しい限りであります。

なお、今回めでたく助成が決まりました8件の団体には、応募事業概要に添って貴重助成金を、有効にお使い下さることをお願い申し上げて、ご報告とさせて頂きます。

2010年助成選考委員会
委員長 渡邊 宣昭

選考経過

神奈川子どもファンド助成は、県内で子ども、若者や子育てに関わる人が地域の中で育ちあう「場」を自立的に運営するNPOの活動へ助成をしている。

助成対象事業については、当該事業を実施することにより活動の充実や拡大が期待できることを重視するとともに、その手法や成果がモデルとなり、他の団体、他の地域にもよい影響や変化を生み出すことが期待される、新たな取り組みを優先的に選考している。

今回の応募総数は、例年並みの18件(新規応募が13件、継続応募が5件)あり、応募総額は、12,215,000円であった。

新規応募については、事業の必要性や先駆性、その目標と内容との整合性、事業の波及効果などの視点から検討を行い、本助成金による活動の充実や拡大が期待できる5事業を助成対象とした。

継続応募については、上に述べた視点に加え、2009年4月以降の事業の進捗状況や成果を踏まえた更なる活動の充実・拡大が期待できるかを検討し、8事業(新規5件、継続3件)、総額4,500,000円の助成を行うことに決定した。

応募団体にみられた傾向

応募団体の所在地については、横浜市が12件、川崎市、横須賀市、茅ヶ崎市、座間市、厚木市、西湘地区がそれぞれ1件と、県内広域からの応募があった。

活動分野・形態は、従来どおり、子育て支援、外国につながる子どもの支援、障がいのある子どもの支援、不登校・ひきこもり、親子のひろば、フリースペース、フリースクール、シェルター、冒険遊び場など、多岐にわたっている。

助成金の使途としては、子ども支援体制の充実、事務局機能の強化、スタッフの研修、学習支援ソフトの開発など、今後の活動の充実・拡大に向けた、新しい様々な試みをしている様子が窺えた。

その一方で、人的にも、財政的にも非常に厳しい状況で活動している団体が数多くあり、より多くの団体に、より多くの支援が必要なことを痛感させられた。

助成対象団体 講評

片倉うさぎ山公園遊び場管理運営委員会

<継続助成>

事業名
プレイパーク運営強化とプレイパーク出張継続事業
助成金額
60万円
応募事業概要
プレイパークの広域展開の充実と継続体制づくり
講評
人間関係つくりに困難さを覚える現代社会で、子どもたちに間接的な遊びなどが蔓延していることから、事業の価値は益々高まる。神奈川の活動モデルとしての自覚と、組織整備に期待する。計画の成果には、新活動拠点の自発的形成が具体的に示されている。継続支援3年目となるが、運営と自律性のバランスをとり自立型モデルとして頑張って欲しい。

特定非営利活動法人 子どもセンターてんぽ

<継続助成>

事業名
電話相談員養成事業、事務局体制整備事業
助成金額
50万円
応募事業概要
電話相談員養成研修実施、自立援助ホーム開設に伴う事務局体制整備
講評
家庭崩壊、いじめ、貧困などの理由で尊厳をもって扱われず、苦しむ子ども達のニーズを的確につかんだ活動の展開が高く評価された。助成対象事業である電話相談の強化を通じ、より多くの子ども達にとってセーフティーネットとしての機能を発揮して頂くことを期待する。一時的にシェルターにかけこんだ子ども達が、社会における居場所を獲得し、再び立ち上がる支援を今後も展開していって欲しい。

ウエスト神奈川女性の人権を守る会

<継続助成>

事業名
子どもの心身ケアのため、子ども担当スタッフの専門性強化
助成金額
30万円
応募事業概要
>DVシェルター入所児童のケア充実のための研修とプログラム普及のための活動
講評
年々増えているDV被害者にとって、子どもをつれて安心してかけこめる民間シェルターの存在は一縷の望みをつなぐものである。民間のDVシェルターは女性の保護に関しての知見は高いが、子どもへのケア、安心できる空間づくりやそのためのスタッフ育成は必要かつ重要な事業である。今回の取り組みで得た知見が、他の団体へも広く共有され、母子ともに安心して滞在できる居場所が増えることを期待して助成を決定した。

特定非営利活動法人ひだまりの森

事業名
ひだまりの森「子育て期の相談室」開設および基盤づくり事業
助成金額
22万円
応募事業概要
相談事業継続のための環境整備
講評
都市型の孤立や情報氾濫のすすむ中、子育て期の親の不安や重圧、悩みは深刻化している。06年から当団体が横浜市関連団体の委託により行ってきた相談事業は、ハードルの低い電話相談の匿名性を入口に幅広くSOSを受け止め、グループ相談や仲間づくりへと繋げ、その実績は評価される。当事業委託の廃止後も、こうした蓄積ノウハウと支援の場の継続を応援したい。

特定非営利活動法人ピアわらべ

事業名
法人事務局の整備
助成金額
80万円
応募事業概要
乳幼児親子の支援事業を充実させるための事業調整、組織基盤整備
講評
地域において多数の利用者に開かれ、親子のための場の提供や育児相談等を行ってきた実績が高く評価された。後回しになってきたという事務局整備及び法人にふさわしいマネジメント体制整備のために、本助成を最大限に活用して、法人の基盤を整え、今後のより一層充実した子育て支援活動を展開されるよう期待する。

エスコラ アクアレラ ブラジル

事業名
エスコラ アクアレラ ブラジル さくら教室
助成金額
80万円
応募事業概要
ブラジル人児童の教育を保障するための日本語学習支援活動
講評
国際交流が叫ばれつつも、外国につながる子どもの学習保障、教育の場や質の確保は困難を極めている。日系ブラジル人児童の母国語による教育に加え、日本の小学校への編入学のための日本語指導体制の強化、充実は急務。当事業が、地域の学校・教育機関との連携を生み、理解者・賛同者の増加と、外国につながる子どもの学習権保障につながることを切に願う。

カラカサン~移住女性のためのエンパワメントセンター

事業名
外国につながる思春期の子ども達の学習・表現活動支援事業
助成金額
80万円
応募事業概要
子ども達の進学支援、表現活動支援の強化
講評
継続的に活動してきたことで、子どもたちの成長と共に新たな課題対応として、活動内容を開発していくことには共感できる。構造的な危機におかれ、弱くされている子どもたちが大切にされていく事業が広く認知され支援者が拡大することで、受益者負担の難しい事業を担う団体の自立も図れるよう、支出構造も考え、自立的な構造にしていきたい。

特定非営利活動法人ふぁみりーさぽーとのあ

事業名
フリースクール事業のあインターナショナルスクール
助成金額
48万円
応募事業概要
ボランティアによる支援体制の充実と支援者、利用者の増員
講評
これまで幅広い年齢層の、不登校・ひきこもり等多様な問題をかかえた子どもたちに、受け入れられていると感じられる場を継続的して提供してきている実績がある。ぜひ本助成をきっかけに、支援の質を維持・向上させつつ、受け入れ児童数を増加させ、より多数の支援を要する子どもたちに、愛されて育つことを実感してもらえるよう願う。