コロナ禍を経て、更に経済格差は広がり、つながりの貧困等子どもを取り巻く状況も日々深刻化するばかりです。当法人では今年度も「虐待・貧困・いじめ」をテーマに子ども未来セミナー2023を開催し、知見豊かな講師の方々と共に課題の共有と解決へ向けてのヒントを探りました。セミナーには日々子どもと関わる当法人助成団体の職員研修としての活用を含め、毎回100人前後の参加者があり、「より理解が深まった」「多くの気づきがあった」との感想が寄せられています。第3回のセミナーはSOSをアクションへつなぐために「いじめストップ!ピンクシャツデー2024 in神奈川」事業の一環として、ピンクシャツデー強化月間である2月直前に開催しました。
また、各回開催翌週にはアーカイブ配信を行いました。
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かながわの子育ち・子育て応援プロジェクト
子ども未来セミナー2023「虐待・貧困・いじめ」
- 主 催
- 認定NPO法人 神奈川子ども未来ファンド
- 共 催
- 公益財団法人 横浜YMCA ピンクシャツデー神奈川推進委員会
- 後 援
- 神奈川県 横浜市 川崎市
- 協 賛
- 社会福祉法人 神奈川県共同募金会
公益財団法人 神奈川新聞厚生文化事業団 - 広 報
- HP、フェスブックでの発信、
神奈川県・横浜市等の関係機関・団体・協力者へのチラシ配布等 - 方 法
- オンライン(Zoomウェビナー・YouTubeを使用)
- 配信会場
- 大川印刷 with GREEN PRINTING「社会課題解決型スタジオ」
■実施報告 以下概要
■ナビゲーター/第1回~第3回 西野博之
認定NPO法人神奈川子ども未来ファンド常任理事、認定NPO法人フリースペースたまりば理事長、
川崎市子ども夢パーク・フリースペースえん、総合アドバイザー他
第1回「虐待からのSOS 」
- 日 時
- 2023年10月14日(土) 14:30-16:30
- 講 師
- 中塚久美子氏・朝日新聞専門記者(子ども・貧困)
- 参加申込者数
- 98名 アンケート回収 26通
- 通算視聴回数
- 121回(YouTube)
第2回 「貧困・広がる格差の中で」
- 日 時
- 2023年11月18日(土) 14:30-16:30
- 講 師
- 永岡鉄平氏 / (株)フェアスタート代表取締役、
NPO法人フェアスタートサポート代表理事 - 大久保真紀氏 / 朝日新聞編集委員
- 参加申込者数
- 102名 アンケート回収 12通
- 通算視聴回数
- 79回(YouTube)
第3回 「いじめ・子どもの命と尊厳を守るために」
- 日 時
- 2024年1月20日(日) 14:30-16:30
- 講 師
- 武田さち子氏/作家、ジャーナリスト
- 参加申込者数
- 104名 アンケート回収 9通
- 通算視聴回数
- 121回(YouTube)
<アンケートからの抜粋>
◆第1回:虐待からのSOS
- 指導ではなく支援のまなざしがほしかった、支援ネットワークは存在していても抜け穴があること、加害者支援が日本は遅れていること等、気づきが多々ありました。
- 事者の状況や言い分をマニュアルにあてはめるような形で支援につなげるのでなく、言葉の一つ一つの裏に隠されたものを探ろう、わかろうとする気持ちで支援する人は関わらないといけない、との中塚さんの姿勢が伝わってきました。
- 「ちゃんと」という言葉の影響力について考えさせられました。親だからちゃんとしなきゃ、子どもをちゃんと育てなきゃと多くの人が思うことだと思います。その「ちゃんと」という言葉にとらわれないためにも、一人で抱えこまずに周りの人や地域社会との繋がりが大切なんだと改めて感じました。
- マスメディアとは違う詳細な情報が聞けて、またこのような問題について改めて考える機会になりとても有意義だった。
- 重い内容で、内心色々な思いがかきたてられました。当事者の状況は特殊な事例と片付けられない気持ちです。地域で育てるのが理想ですが、タダ乗りしてくる家庭には嫌気がするし、複雑な背景があると、専門家に任せたくなります。
- 母親の状況や心の変化が分かりやすかったです。その状況の理解を社会全体が知って想像し、連携していくことが大切だと思いました。
- 中塚さんのお話し拝聴いたしました。事件の経緯と母親の葛藤や置かれた状態がよくわかり大変参考になりました。ありがとうございます。
- こうあるべき、ならなければならない、ちゃんと育てなきゃという考え思いが、虐待につながっていくということを知り、虐待して逮捕される親の見方が変わった。西野さんのお話は、いつも原点に立ち返らせていただきます。
◆第2回:貧困・広がる格差の中で
- 就業支援と居住支援の両輪で、児童養護施設卒業者やシングルマザーなどの社会的弱者の支援をすることの重要性を理解できました。
- 日頃直接の関わりがなければ見えてこない児童養護施設出身者の方々の実状について知れたことがまず良かったです。多くの人にとって生きにくい世の中であることを痛感するととともに、企業の方々でも前向きな方がいることを含め、まだまだできることがあるという可能性も感じることができました。
- 以前より興味関心のある分野の話だったので、より理解が深まりました。ありがとうございました。どんな生きづらさがあるのかを知れたことと、どんな支援が行われているかというところが理解でき、学びになりました。講義の中で「自己決定」を大切にするという言葉が心に残りました。
- 現場で活動している方々のお話は説得力がありました。18才で施設など卒業は本当に無理だと思います。安心して過ごせる場所や次のステップにいくのに支援がある事を知ることができました。とても必要な支援だと思います。
- 地域を巻き込んでいく事が大事とのお話がありましたが地域で何ができるか色んな視点でこれからも考えていきたいと思います。ありがとうございました。
◆第3回:いじめ・子どもの命と尊厳を守るために
- 子どものSOSを受け止める大人の方の問題というお話が、耳が痛くもありながら、深く理解いたしました。信頼できる大人の繋がりを作っていく必要性を改めて感じています。
- 活動している一般社団法人だけでなく、既存のPTAや地域組織にもそんな意味がある事を伝えて再編成できたら良いと思います。全ての子どもの問題は大人の問題である、に納得です。
- 関係性の貧困化と言われる時代、子どもたちが親や先生だけでなく様々な頼れる大人を持てるように、ナナメの関係性の大人たちとの関係性をつくっていけるように、すべての親たちへそれが大事なんだと伝えたい。そして、学力や体力だけでなく、共感力、想像力、コミュニケーション力が大切で、それらは遊びの中で培われていく、ということをもっと発信していこうと改めて感じました。
- 情報がとても詳細でした。それを受けて気持ちや行動にどう反映できるかを考えさせられました。とても長い道のりだと思いますが、表面的な対策ではなくて根本的なところから変わっていけたらと改めて強く感じました。とてもいい機会をありがとうございました。良い視点を教えて頂きました。ありがとうございました。
- いじめの現状がよくわかった。いじめにより苦しんでいる子どもが年々増えていて、低年齢化していることやいじめを苦にしての自殺の多さに胸が痛くなった。「指導死」についても、これだけ子どもたちの成長にとって、どのような指導が適切なのかが話される時代になったにも関わらずなくならないことは、悲しい。
- こどものいじめは大人の責任・社会の責任ということにとても共感した。世の中全体の大人が忙しすぎる、疲れすぎてると感じる。暇そうな大人がいない。
以上