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神奈川子ども未来ファンド

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2013年 選考結果報告

2013年度助成は、28団体のご応募をいただきました。第三者機関である選考委員会が公正に選考にあたり、以下の11団体への助成が決定しました。

神奈川子ども未来ファンド 2013年 助成対象団体

助成総額 3,290,000円

団体名 事業内容 都市名 助成金額
キララの教室 <外国人(籍)児童・生徒への支援>
外国人(籍)児童生徒への学習支援事業
横浜 230,000
TIE トマトマの会 <外国人(籍)児童・生徒への支援>
トマトマ教室運営 ―外国につながる子ども達のための補習教室―
茅ヶ崎 300,000
認定特定非営利活動法人スマイル オブ キッズ <患者家族支援>
病児のきょうだい児預かり保育事業
横浜 500,000
特定非営利活動法人 在日外国人教育生活相談センター・信愛塾 <外国人(籍)児童・生徒への支援>
日本語を母語としない子どもたちへの「居場所」を生かした母語&日本語学習
横浜 200,000
日タイを言葉で結ぶ会 ラック パーサー タイ(RPT) <外国人(籍)児童・生徒への支援>
タイにつながりを持つ子ども達のための「母語教室」および「母語を大切にした学習サポート教室」開催
横浜 300,000
特定非営利活動法人さくらザウルス <親子のつどい広場>
さくらザウルス弘明寺ひろば 移転・機能向上事業
横浜 450,000
守りたい・子ども未来プロジェクト実行委員会 <震災支援>
守りたい・子ども未来プロジェクト
横浜 300,000
とどろき学習室・よこはま学習室 <震災支援>
大学生による都会で避難生活を送る 東北の子どもたちのための学習支援
横浜 400,000
「福島の子どもたちとともに」川崎市民の会 <震災支援>
2013保養 in 川崎
川崎 300,000
一般社団法人アカデミーキャンプ <震災支援>
アカデミーキャンプ2013夏
藤沢 210,000
特定非営利活動法人 湘南市民メディアネットワーク <震災支援>
映像で子供たちに笑顔を贈る!!
藤沢 100,000

神奈川子ども未来ファンド 2013年 助成選考委員

宮林 雄彦委員長
委員長
宮林 雄彦氏(浄土宗大光院 代表役員 住職)
副委員長
渡辺 誠二氏(一般社団法人ロータリーの友事務所 所長)
委員
新井 聡子氏(横浜弁護士会子どもの権利委員会 委員)
伊藤 輝子氏(元鶴見大学短期大学部教授)
冨樫 匡孝氏(NPO法人自立生活サポートセンター・もやいスタッフ)

2013年 助成対象団体講評

選考を終えて

今期も「神奈川子ども未来ファンド」にご協力をいただいた皆さまに心から御礼申し上げます。おかげさまで貴重な浄財を、団体・企業・個人の方々から賜りご支援いただきました。また県内各地より28件に及ぶ助成へのご応募がありました。昨年に引き続き、震災支援のプログラムも選考対象と致しましたが、どの事業も「子どもたちの未来が希望にあふれる」もので、選考には大変苦慮致しました。また多様な分野からご申請をいただき関心の高さをうかがうことが出来たことも、今回の特徴と言えるかと思います。

ご支援、ご協力いただいた皆さまには、今後とも本事業に格別なご高配をいただき、益々より多くの子どもたちの笑顔が増えますことをお願い申し上げまして、選考委員会のご報告とさせていただきます。

2013年助成選考委員会
委員長 宮林 雄彦

選考経過

神奈川子ども未来ファンドでは、県内で、子ども・若者や子育てに関わる人が地域の中で育ちあう「場」を自立的に運営しているNPO等の活動へ、助成を行っている。

助成対象事業については、申請した事業を実施することにより、活動の充実や拡大が期待できるものであることを重視するとともに、その手法や成果がモデルとなり、他の団体、他の地域にもよい影響や変化を生み出すことが期待されるような、新たな取り組みを優先して選考している。また昨年に引き続き「一般助成」に加え、東日本大震災で被害を受けた子ども・若者を支援するための事業全般を支援する「震災支援助成」を実施した。

総応募件数は前年より4件多い28件(一般助成は新規応募が10件、継続応募が5件。震災支援は新規応募が12件、継続応募が1件)、応募総額は、17,699,000円(前年比2,101,000円増)であった。

「一般助成」については、事業の必要性や先駆性、その目標と内容との整合性、事業の波及効果などの視点から検討を行い、本助成金による活動の充実や拡大が期待できる3事業を新規の助成対象とした。また、継続応募については、上に述べた視点に加え、2012年4月以降の事業の進捗状況や成果を踏まえ、更なる活動の充実・拡大が期待できるかを検討した。

なお「震災支援助成」については、被災地のニーズの把握、被災地とのつながりや組織力などを考慮しながら検討を行った。その結果、全体として11事業(一般新規3件、一般継続3件、震災新規4件、震災継続1件)、総額3,290,000円の助成を行うことに決定した。

応募団体にみられた傾向

応募団体の所在地については、横浜市が15件、相模原市、藤沢市が各3件、川崎市が2件、横須賀市、茅ヶ崎市、厚木市、座間市、南足柄市がそれぞれ1件と、横浜を中心に県内広域からの応募があった。

活動分野としては、「一般助成」では、外国につながる子どもの支援、子育て支援、障がいのある子どもへの支援、不登校・ひきこもり支援、患者家族支援、そして今期初めての応募であるギャンブル依存症の回復支援などがみられ、活動形態も、学童保育、フリースペース、フリースクール、学習支援、相談事業など多岐にわたっている。

助成金の使途は、一般助成では、子ども支援体制の充実、活動拠点の移転・機能向上など、今後の活動の充実・拡大に向けた、新しい様々な試みをしている様子が窺えた。

その一方で、人的にも、財政的にも厳しい状況で活動している団体が数多くあり、人件費や家賃など経常経費が応募事業に計上される傾向がみられた。

震災支援助成においては、神奈川県内での保養プログラムが多く見られた一方、神奈川県に避難した子どもや家族からの学習・生活面での相談や被災地での技術指導への謝礼など、被災した子どもたちが未来に希望を持って暮らせることを願うと共に、被災地との連携を密にしていこうとする思いが見て取れた。

助成対象団体 講評

キララの教室

<一般助成 継続>

事業名
外国人(籍)児童生徒への学習支援事業
助成金額
23万円
応募事業概要
外国人(籍)の小・中学生への個別学習支援及び保護者への支援
講評
行政の支援が不十分な外国人児童及びその保護者に対し、個別学習支援活動を通じて、深い信頼関係を築いてきめ細やかな支援をされており、その活動に敬意を表すると同時にエールを送ります。今後の安定した活動のために、参加費の徴収を含めた体制づくりも検討していただきたい。

TIE トマトマの会

<一般助成 継続>

事業名
トマトマ教室運営 -外国につながる子どもたちのための補習教室
助成金額
30万円
応募事業概要
外国につながる中・高校生への日本語及び受験を含めた教科サポート
講評
「外国籍の子どもたちの学習支援」という応募が多かった中で、そこにあるニーズに寄り添いながら、多言語に対応地域に根差して活動して来られたこれまでの実績に評価が集まり、助成継続となりました。活動の継続と、さらなる広がりを期待しています。

認定特定非営利活動法人スマイル オブ キッズ

<一般助成 継続>

事業名
病児のきょうだい児預かり保育事業
助成金額
50万円
応募事業概要
県立こども医療センターに通・入院する子どものきょうだい児の支援
講評
病児のきょうだいを保育する中で、その気持ちを受け止めていくという非常に有意義な活動をされています。運営的にも努力されていることがわかります。この分野での先駆者として安定した運営を維持し、有意義な活動をぜひ全国へ波及させられるよう応援しています。

特定非営利活動法人 在日外国人教育生活相談センター・信愛塾

<一般助成 新規>

事業名
日本語を母語としない子どもたちへの「居場所」を生かした母語&日本語学習
助成金額
20万円
応募事業概要
在日外国人の子どもたちの母語および日本語学習支援
講評
設立当時からは大きく子どもたちの母語が変化し、それゆえに支援活動のコストが高くなっていると考える。また、支援しつつ主体的なグループの関わりの変化も運営の課題であろう。そして、今回の申請は、他助成金終了に伴う付け替えで、苦労が見える。それでも、子どもたちや家族の多様な課題に長年寄り添ってきたそのミッションを再確認しつつ、「居場所」との認識を深化させ、支援者のさらなる獲得など財政基盤強化策も十分に検討したい。

日タイを言葉で結ぶ会 ラック パーサー タイ(RPT)

<一般助成 新規>

事業名
タイにつながりを持つ子ども達のための「母語教室」及び「母語を大切にした学習サポート教室」開催
助成金額
30万円
応募事業概要
タイ語を母国語とする子どもたちの母語教室および学習支援
講評
タイ語を母国語とする子どもたちの学習支援の活動をされている団体です。利用している子どもたちの成長に合わせて、活動内容を広げようとされている様子など、団体が試される時期に差し掛かっていることが感じられ、応援させていただきたいと思いました。今後の継続的な活動のためにも、運営・事務の部分のレベルアップも不可欠と考えます。

特定非営利活動法人さくらザウルス

<一般助成 新規>

事業名
さくらザウルス弘明寺ひろば移転・機能向上事業
助成金額
45万円
応募事業概要
耐震性に不安がある拠点の移転と機能向上
講評
この度の応募は耐震性を高めるとともに南区の常設の親子の居場所の偏在を解消し利用者が身近な所に安心して集える居場所がある状況をつくりだすことにあったこと、また、チャリテイーショップの併設など地域との交流も日常の中に組み込むなど、理念としての「子育てを支えあい、子育ての喜びを共有できる地域づくり」が具体的に、確実に展開している。独自プログラムによる収益は居場所の維持に必要と考えるが、居場所本来の目的からの乖離はないか振り返りつつの展開を願う。

守りたい・子ども未来プロジェクト実行委員会

<震災支援助成>

事業名
守りたい・子ども未来プロジェクト
金額
30万円
応募事業概要
県内に避難している子どもを抱えた家族の交流、相談
講評
堅実であり、多様なネットワークを駆使しての活動実績を評価したい。また情報誌『わらしこ』による情報発信も大切な活動と考える。協力団体との活動も含め、継続が必要な活動と考える。そのためにも、活動継続に対する費用獲得方策を充実させたい。例えば、ネットワーク団体の拡大による拠出金確保などの方策は検討されないか。さらに、交流や情報発信など、直接対象者にかかる事業費に比べ、管理費等の比率が高くないか。確認しつつ充実した活動を展開されたい。

とどろき教室・よこはま教室

<震災支援助成>

事業名
大学生による都会で避難生活を送る東北の子どもたちのための学習支援
助成金額
40万円
応募事業概要
大学生による都会で避難生活を送る東北の子どもたちのための学習支援
講評
12大学、72名の学生による週2回のボランテイア活動は学習支援にとどまらず、学童、思春期の子どもの相談相手としての役割も時に担う活動になっているのではないだろうか。学生にとっては、かかわることでより一層「相互理解」、「受容」、「指導」などの言葉が実感できる得がたい経験となっていることと思われる。この経験が長期休暇期間に現地に入り学習支援の活動を計画する源泉になっているかと考える。息長く更に広がりを持った活動になることを期待したい。

「福島の子どもたちとともに」川崎市民の会

<震災支援助成>

事業名
2013保養 in 川崎
金額
30万円
応募事業概要
福島に住む小学生・就学前の子どもの神奈川での保養
講評
放射線被曝から福島の子どもたちをまもりたいとの思いから積極的に協力団体を募って自分たちでできることを実行している。対象を小学生としたり、就学前の子どもがいる家族とするなど、その絞込みと協力団体が多彩であることからプログラムにきめ細かな配慮が読み取れる。それは活動報告にある参加者の声から汲み取ることができた。また、他地域で同様な活動をしている団体とネットワークを形成するなど運動の広がりと共に内容の充実につながるのではないかと考え評価した。

一般社団法人アカデミーキャンプ

<震災支援助成>

事業名
アカデミーキャンプ2013夏
助成金額
21万円
応募事業概要
被災児童の神奈川での保養と体験的学習
講評
福島の子どもたちに、神奈川での保養に加えて、各分野の専門家とともに体験的学びの機会を提供している点は斬新です。子どもたちも支援者もともに大きなパワーを受け取っていると思います。今後も息の長い活動をされることを願っています。

特定非営利活動法人 湘南市民メディアネットワーク

<震災支援助成>

事業名
映像で子供たちに笑顔を贈る!!
助成金額
10万円
応募事業概要
被災地における映像メディアのワークショップ
講評
被災地の子どもたちに映像メディアの使い方を伝える、という事業内容は、今回の応募の中では異色で、被災の経験を彼ら自身の手で発信していく契機になり得る、という大きな可能性を感じさせるものでした。しかし一方で、現地との信頼関係がどの程度あるのか?その点を危惧する声が多く出ました。現地との関係作りの後押しのため、一部助成とさせていただきました。次年度以降の活動の発展に期待します。